実際に劇場で観たのは3月、この記事を書いているのは6月のはじめですが…今のところ、これが私の2018年ベスト!と鼻息荒く語り散らかすぐらいに大好きな作品です。
今回は2015年に起きたタリス銃乱射事件を映画化、という前情報のみだけで観に行きました。今回は俳優さんたちみんな初めて観る人だなあ、なんて思っていたぐらい本当に何も知らなかったのでラストの「ご本人登場〜!」的なシーンでもさっきまで映画でずっと観ていた3人がニコニコとしていたのでものすごくびっくりしました。こんな見方をした人は私以外にもいるのでしょうか…
実際の事件を、本人でキャスティング、というものすごくコンセプチュアルにも感じてしまうのですがたぶんこの映画における要素としてはおそろしくシンプルなことなのだとも思います。
映画の序盤は後に事件を未然に防ぐこととなる少年3人の出会いと友情についてとても丁寧に描かれます。少年の母親たちが担任の先生から呼び出されるところから始まります。呼び出しの内容としては、少年たちに問題があるということ。投薬などの治療を勧めるということ、さらには話し合いがエスカレートしてしまった結果なのですがシングルマザーの子供には問題が起きやすい、という心無い発言まで出てくる始末。ですが映画を観終わった後にそういえばあの担任はあんなこと言ってたなあ…と思い返したときに少年たちの誇り高い人生をより濃く感じ、涙が溢れてきてしまいました。
他にも子供に寄り添わない教師が何人も出てきたり、少年たちの間に別れもありました。大きくなった少年は自分が何をしたいのかわからずただ時間を持て余すような生活をしてしまった時期もありました。その後偶然が重なり、憧れの気持ちを思い出し一念発起して夢を叶えるために必死に努力をするのですが憧れの場所が無残にも遠のいてしまう瞬間が何度もありました。
これは旅番組なのかな?となってしまうヨーロッパ旅行シーンも、本当に愛しい気持ちでいっぱいになるので大好きです。
そして事件のシーンですが、負傷した乗客に対して適切な処置を行いながら「僕もカリフォルニア出身だよ、いつか一緒にビールを飲もう!」と声をかけてる様子にも胸がいっぱいになりました。そして彼のこの怪我に対して正しい処置の知識は、落ちこぼれながらも何度も実習を重ね身につけたものでした。この映画は人生そのものでした。
こんな気持ちになれるなんて、本当に幸せ。私は映画が大好きです!